不眠だったものの
昨夜、有栖川山荘を見学し、部屋の露天風呂を満喫したまでは良かったものの、その後、妙な緊張感で一睡もできないまま朝を迎えてしまった私。
それでも、一応布団の中でずっと目をつぶりおとなしくしていたおかげか、寝不足特有の具合の悪さもさほど感じずに行動ができていました。
歯磨き、洗顔などざっと身支度をととのえ終えた朝の8:00(洗顔後のスキンケアはもちろんアミノリセで!)。リクエストしてあった時間に、朝食がスタートしました。
仲居さんの第一声
「よくお休みになれましたか?」と仲居さん。母は「はい~」と上機嫌で答えていましたが、不眠だった私は微笑むだけで何も言うことができませんでした(笑)。
↑まずは冷たいおしぼりと、冷水ポット、グラスが置かれます。
昨晩、夕食時のおしぼりは熱かったため、それを気に入っていた母が「朝のおしぼりは冷たいんだね」とちょっと不満げでした(笑)。
ずらりと並ぶ
↑一品ずつ出された夕食とは違い、朝食は、一気に料理が並びます。食後の飲み物を何にするかを、このタイミングで聞かれました。ホットコーヒーか、紅茶か、ということで、私たちはコーヒーをお願いすることに。
ずらりと並んだ朝食を前に、私はお腹をさすりました。昨夜、夕食を腹八分目に抑えておいたおかげで、そこそこ空腹です。これならば美味しく食べられそう。
それではいただきます!
おひつご飯に美味しいおかずたち
↑ご飯は、夕食と同様におひつにたっぷり。石川県産の新米を、思う存分食べられます。
↑ガンド(ブリの子ども)の塩焼きは、焼きサバのようなギュッとした身で、脂っこくなく、朝にぴったり。厚揚げは、福井県で有名な「谷口屋」のもの。国産大豆、天然にがり使用の無添加厚揚げで、カリッと香ばしく、まるで天ぷらのような風味。とても美味しかったです。良い食材を使っていただけて本当に嬉しい!
↑鰆(サワラ)の昆布締め。朝から刺身だなんて贅沢! 昆布の旨味がサワラのモチモチした身に染みています。醤油をつけていただきました。
↑大根サラダには、ごま油ベースの醤油系ドレッシングがかかっていました。薄くスライスされた大根がみずみずしく、食べやすい。ごま油の香りが食欲をそそります! 母が「美味しい!」と気に入っていました。
しらす、山葵菜、南蛮味噌
↑自然天日干しのしらす。繊細でふわふわな、極上しらすです。塩気がちょうど良い。こちらも母が「美味しい、美味しい」としきりに言っていました。ご飯とともに食べ、完食です!
↑山葵菜(わさびな)漬け。わさびのピリッとした辛みが楽しめます。噛むと「シャキ、シャキ」と良い音。これまたご飯によく合うのです。
↑南蛮味噌。ほんのちょっとでご飯のすすむ甘辛味噌です。シソの実でしょうか? ぷちぷちした食感も楽しい。
南高梅・自家製漬物
↑南高梅はプチュッと柔らかな蜂蜜風味。こういう甘めの梅干しって、おにぎりの具にすると美味しいんですよね。種を除いて全部いただきました。
↑自家製香の物。美味しい漬け物でした! 色鮮やかなのはラッキョウです。
夕食に出てもおかしくない
↑冬瓜となすの揚げ浸し。これは、夕食の一品として出てきてもおかしくない料理。冬瓜によくダシが染みていました。
↑豆腐の葛あんかけ。あらや滔々庵は豆腐系が抜群に美味しいです。胃にも優しく、ぺろりと食べてしまいました。
名物・源泉たまご
↑そして、あらや滔々庵名物、源泉たまご。卵を、あの熱々な64℃の源泉で六時間ゆでたものなのだそうです。
ただ、卵そのものは、スーパーで売っている普通のものであるとのこと。私は卵に食物アレルギーがあって、良いエサを食べた鶏の有精卵でなければ湿疹が出やすいので、この源泉たまごを食べるのは大変残念ながら遠慮させてもらいました……。
食べた母によると、「普通に美味しかった」とのことでした。
つみれ汁
↑メギス(白身魚)のつみれ汁(メギスではなくニギスと呼ばれることもあるらしい)。
夕食の味噌汁は「赤だし」でしたが、こちらは「合わせ味噌」。滑らかな口当たりのつみれが美味しかった~。朝から美味しいお味噌汁が飲めて幸せです。
おかわりしたい源泉粥
↑そしてそして!! 私のイチオシ源泉粥。米を、源泉で炊いたものなのだそうです。
まるでダシ汁で炊いたかのような旨味があって、源泉そのものが持つ薄い塩気がお粥の味付けとして本当に良い!! 美味しすぎました!! 入浴して良し、飲んで良し、料理に使って良し……。あらや滔々庵の源泉、最強ですね。あと二杯くらいおかわりしたかったです。
ヨーグルト
↑デザートは、フルーツのヨーグルトがけ。牧場から取り寄せたヨーグルトを使っているとのことで、酸味が弱くクセもなく、さっぱりしてとても美味しい! 食事の良い締めとなりました。
コーヒーも旨い
ここまでで、食事開始から約一時間。だいたい食べ終わったのを見計らったように、仲居さんが食器を下げにいらして、食後のコーヒーを置いていってくださいました。
↑九谷焼のカップに入った熱々のコーヒーです。挽きたての豆で淹れたと説明を受けました。ミルクと角砂糖もついていましたが、ブラックでいただきます。
コーヒーは、豆の鮮度でだいぶその美味しさが変わるものですがこのコーヒーは果たして……。
と思いながらすすると、あっ、美味しい!
深煎り系の、澄んだ味わいです。「喫茶店で飲んだら600円はするね……」なんて、母と話しました。
最後の最後、コーヒーまで美味しいとは、あらや滔々庵、さすがです。
日本の正しい朝ご飯
朝食は、全体的に、「味の濃いおかずがちょこちょこたくさんあって、それでご飯をたっぷり食べる」という趣向でした。
いかにも日本の正しい朝ご飯という感じで、一日の活力が湧く内容でした。今後、自分が朝ご飯を作るときの参考にさせてもらいたいです。
4万3千円の価値
一人一泊、4万3千円もの価値はあるのか……。
泊まるまではあったそんな「疑念」は、あらや滔々庵に実際に宿泊してみて、お金をかけた分だけの価値を感じられる宿というのがあるんだという「納得」に変わっていました。
一人につき、浴衣は二着、バスタオルは三枚。何度も取り替えられた冷水ポットとグラス。夜寝る前に出てきた銘菓。
高級料亭のような食事。入り放題の客室露天風呂。
洗面所の、高級な基礎化粧品(アミノリセ)(笑)。
ここまでの贅沢は必要ない。けれど、この贅沢にお金を払うのであれば4万3千円は妥当。そう思える内容でした。
また泊まりたい
あ~、また泊まりたいな。お金さえあれば何度でも泊まりたい。居心地の良い宿でした。母の「一生に一度は豪華な温泉旅館に」という希望を叶えるため、探しに探して決めたのがあらや滔々庵で良かった、自分の選択は大正解だったと思いました。
送りのバス
宿から加賀温泉駅までの送りのバスは、始発が9:10。そこから30分おきに11:10が最終と言われており、私たちは10:40を希望していました。
朝食後、ゆっくりおしゃべりする暇もなく、私たちはメイクなど最後の身支度にとりかかりました。
できれば最後、ちょっとでもお湯に浸かれたら良かったのですが、残念ながらその時間もありません。↓
↑名残惜しい、源泉が満ちた露天風呂。
部屋を出る直前に、このお湯に「ありがとう」と触って別れを告げました。相変わらず熱かったです(笑)。
10:40。宿が用意してくれたマイクロバスに乗り込み、慌ただしく出発します。手を振る仲居さん、女将さんに私も手を振り返します。お世話になりました! また来たい!
加賀温泉駅へ
↑マイクロバスは一路、加賀温泉駅へ。窓からは、青空にそびえる白山連邦が見えました。
↑15分ほどで駅に到着。ああ~別れがたきあらや滔々庵。泊まれて本当に良かったよ。ありがとう。いつかまた~!
運転手さんに別れの挨拶をし、私たちは足早に駅へ向かいました。
駅弁が美味しそう
↑福井駅までの切符を購入後、余った少しの時間で加賀温泉駅内のお土産売り場を物色。「ますのすし」「日本海名産かにすし」「柿の葉ずし」など駅弁のクオリティーが高すぎます。
欲しい……と食指が動きかけましたが、この日の夕食(ホテル日航金沢の会席料理:予約済み)を美味しく食べるため、ここは我慢、我慢……。
↑特急しらさぎに乗って、福井駅へ向かいます! 目指すは憧れの平泉寺白山神社!!(→「平泉寺白山神社までの旅路~えちぜん鉄道に乗って」に続く)